マイクロバブル(ファインバブルともいう)とは、直径が約1~60μm以下の微細な
気泡のことで、マイクロバブルよりさらに小さい直径が約1~3μm以下の気泡は
「ナノバブル(ウルトラファインバブル)」と呼ばれています。これらに対し、私
たちが日常生活の中で目にする気泡のほとんどは、直径が数ミリの「ミリバブル」
や数センチの「センチバブル」と呼ばれる気泡です。(右図参照)
ミリバブルやセンチバブルは、水中で発生してもすぐに水面に浮上して弾けて消滅
しますが、マイクロバブルやナノバブルのように直径の小さい気泡は、 その直径が
小さくなればなるほど浮力が小さくなり、水中を漂うようになります。
また、これらの小さい気泡は、通常マイナスの電荷を帯びているため、 気泡同士が
合体することなく水中に拡散します。
浮力が小さいことや帯電していること、マイクロバブルのこれらの特性が油などの
洗浄に効果を発揮することになり、 この効果を利用した洗浄装置が、マイクロバブ
ル洗浄装置です。
水と空気の微細な泡がいろんな業界の
常識を変えるかも知れません
すでにマイクロバブルは洗浄や水質浄化の効果が確かめられ、工業分野を中心に産業利用が進んでいます。
さらに、血行促進や保温効果による美容・健康分野での採用事例も拡大。
動植物の生育促進への期待から、農業や水産養殖業でも試験的な取組みが本格化しています。
また今後は、医療分野での活躍も見込まれています。
マイクロバブル発生機を組み込んだマイクロバブル洗浄装置の製造・販売を行っております。
マイクロバブル洗浄装置は、水と空気のみで生成した微細な気泡(マイクロバブル)を利用した洗浄装置です。
マイクロバブルが表面の汚れを吸着して水面に浮上することにより脱脂・異物除去をおこなうとともに再付着を防止します。
多量の有機溶剤や酸・アルカリ溶剤を消費する従来の工業洗浄に代わる環境にやさしい洗浄を行います。
製造工程内での洗浄、次工程に移る前の中間洗浄に最適で、有機溶剤の撤廃により作業環境の改善と作業着の安全確保に貢献します。
また洗浄水は油水分離装置(オプション)を用いることで再生・再利用が可能で、産業廃棄物を低減し、より環境負荷の少ない洗浄が可能です。
マイクロバブルによる洗浄のメカニズムは非常に複雑で、すべてが解明されていません。
現時点で最も有力とされる洗浄メカニズムを以下に示しました。 被洗浄物に対して様々な形で結合している汚れに対して、マイクロバブルはいくつかの作用が複合的に働き、洗浄効果を発揮すると考えられています。
マイクロバブルの表面はマイナスの電荷(ゼータ電位)を有していますが、 気泡同士が合体することな、く水中に拡散・浮遊しています。 これに対し、油汚れ等は通常プラスに帯電しており、マイナスの電荷を帯びた製品や部品と電気的に結合しています。 マイナスの電荷を帯びているマイクロバブルは、プラス電荷の油に吸着することで電気的に中和し、油汚れを部品から分離しやすい状態にします。 ミリバブルやセンチバブルなどの通常の気泡でもこういった効果はありますが、当社の開発した洗浄装置では多くのマイクロバブルを生成させるため、 電荷を帯びた気泡の表面積の総計が大きくなり、この効果が増大します。
|
|
|
|
電気的に中和されて被洗浄物から分離した油汚れなどは、マイクロバブルの表面(気液界面)に吸着したまま、
気泡の浮力によりゆっくりと水面に浮上します。また汚れに付着していないマイクロバブルは、水中に漂う油分や微小な異物に多数付着することにより、浮力を増して水面に浮上し、被洗浄物から取り除いた汚れが洗浄水中で再び被洗浄物に付着することを防ぐ働きをします。
マイクロバブルは直径1~60μm以下の微細気泡であり、通常の気泡とは異なった性質を持っています。
また、水と空気の混合によって生成され、乳白色の水に変化して様々な効果を発揮します。
左:マイクロバブル水
右:水道水
水と空気のみで洗浄し、環境負荷を低減できます。マイクロバブルには汚れを落とすだけでなく、油などの汚れを吸着して浮上させる作用があります。洗浄水から浮上した油などの汚れを除去し、水をリサイクルすることで長時間にわたって同じ洗浄水を使用することができますので産業廃棄物排出量の少ない環境にやさしい洗浄を実現できます。
有機溶剤、酸・アルカリを使用しないため安全です。近年、有機溶剤を使用することによる作業者への健康被害が社会問題化したことは記憶に新しく、洗浄工程の安全性に対する対応が求められています。危険物や引火性の溶剤を使わない洗浄のため、作業環境への特別な配慮や薬液の管理を必要とせず、薬液や装置に対する消防法などの規制もないため、だれでも、どこでも安全に洗浄ができます。
ランニングコストが非常に安価です。使用する洗浄水は水道水と空気のみです。溶剤購入費と比較すると水道水は非常に安価であるこや、落とした汚れを油水分離装置を用いて濃縮回収することで産業廃棄物処理費用も抑えることが可能です。