精密ねじと呼ばれる0番十字穴の製品(呼び径1.4~2.6)を日本で初めて量産化に成功しました。
1960年代当時のカメラ業界では「マイナスねじ」を使用しており、その締付け作業には相当な熟練を要しました。手締めから電動ドライバーになっても、ビットがマイナス溝から横滑りして部品や作業者を傷つけるなど非常に問題が多い作業といわれていました。
カメラの組立工場を有していた当社では、この問題に着目して研究を開始します。当時米国フィリップス・スクリュー社との提携によって輸入されたマスターパンチの中に、0番十字穴用のものがあり、これをもとに1963(昭和38)年、1.7mm径のねじを製造し、熱処理を加えて強度を高めました。ドライバーによく食いつくため作業性が高く、高強度で強いトルクにて締付けできるためゆるみ止め効果もあるということで注目いただき、1964(昭和39)年には大手メーカのカメラに組み込まれ世界市場へ出荷されました。
現在も当社の主力サイズの一つとして、軽薄短小化が進む多様な分野で活躍しています。
![]() |
カメラ製造の経験から、 いち早く精密ねじに着目 |
コンパクト設計が必要な あらゆる分野で採用 |
![]() |
その技術は、さらに小さい 極小ねじ(呼び径0.8~1.2)に発展 (1円玉の上に載っているのが極小ねじ) |