2018/11/14
加工・組立工程における工具や製品の破損を検知
~ 新型振動検査装置「KizMILⅡ」を新発売 ~
■はじめに
日東精工株式会社(代表取締役社長:材木正己、本社:京都府綾部市井倉町梅ヶ畑20番地、東証1部上場、https://www.nittoseiko.co.jp/)は、2004年に振動検査装置「KizMIL(キズミル)」を発売以来、加工や組立工程などの製造現場における工具や製品の破損検知において、高い評価をいただいてまいりました。
この度、新たな機能を備えた新型の振動検査装置「KizMILⅡ」を開発し、2018年12月3日より販売を開始いたします。
■開発背景
自動車・家電をはじめとした加工・組立工場では、製品の多様化に伴い製造設備の高度化・複雑化が進み、そこに取り付けられた部品や工具・金型などの劣化・破損を発見することが難しくなっています。また、破損時に生じる工具の破片が製品に混入する危険性が高まるなど、破損した工具・金型で製造を続けると対象製品の品質を著しく損なうことも考えられます。
当社ではこれまでから本来は発見しづらい破損を確実に検知し、お客様の製品品質を高めることを目的とした「KizMIL」を販売してまいりましたが、この度、チャンネル数を1チャンネルから2チャンネルに拡張するなど機能を充実させた「KizMILⅡ」を開発いたしました。
「KizMILⅡ」は、多様化する製造現場の救世主として、お客様のモノづくりをサポートしてまいります。
■製品概要とロゴ
「KizMILⅡ」は、センサ部とコントローラ部から構成され、製造設備における工具・金型・各種部品、あるいは生産工程における各種製品に生じる振動を観測し、これらの劣化、破損を検知します。お客様がお持ちのパソコンや外部機器に振動波形を取り込むことも可能です。
また、センサ部はねじ込み固定式となっているため、振動を検出したい箇所や治具等に容易に取り付けることができます。
■特長
(1)広帯域の振動波形を観測
高速のA/D変換器と広帯域のアナログ回路の採用により、AE(アコースティックエミッション)を含む低周波から高周波(50Hz~2MHz)まで広帯域の振動を観測することが可能。
(2) 大容量データ保存を実現
従来機同様に低周波振動の波形データと従来機では不可能であった高周波振動の波形データを大容量コンパクトフラッシュ(最大2GB)に保存することが可能。
(3) 常時検査を実現
当社開発の信号処理用ICに搭載された波形検出ユニットによりリアルタイムで振動を観測することができるため、従来機に存在していた検査不能時間を解消し、確実に不具合を検知することが可能。
(4) 2箇所同時の検査を実現
1台のコントローラに2つのセンサを取り付けることができるため、2箇所同時の検査が可能。
検出した異常振動の波形データはコンパクトフラッシュ(2チャンネル×16,384点)に保存可能。
(5) 高周波振動環境下での検査を実現
信号処理用ICに搭載された波形検出用ディジタルフィルタを用いて正常時の高周波振動成分を除去し、異常時振動成分を抽出することで従来機では困難であった高周波振動環境下での検査が可能となり、検査の適用範囲が拡大。また、正常時の振動波形データからこれを除去するためのフィルタを容易に設計することが可能。
(6)PCソフトによるパラメータ設定や波形確認
従来機同様、パソコンとシリアル接続することにより、パソコン上の端末ソフトを通じてアンプ増幅率・サンプリングレート・振動検出条件などの設定・変更が可能。また、波形検出用ディジタルフィルタ決定と特性確認なども可能。
■製品外観
AEセンサ+コントローラ コントローラ外観寸法図
■製品仕様
項 目 |
仕 様 |
チャンネル数 |
2チャンネル |
サンプリングレート |
16Msps(最大) |
信号周波数 |
~2MHz(LPF遮断周波数) |
保存波形 |
2チャンネル×16,384点 |
トリガ方式 |
通常トリガ~プレトリガ15段階 |
波形検出用 ディジタルフィルタ |
4個(1個あたり16係数、各フィルタの接続が変更可能) |
検出方法 |
一定値以上/未満の振幅が一定時間継続 |
一定値以上/未満の振幅が一定頻度発生 |
|
コントローラ寸法 |
W220×H120×D303(mm)*突起部除く |
電源電圧 |
AC100~240V *AC100V仕様ではノイズ対策部品の交換要 |
外部入出力 |
入力点数:16点、極性:NPN |
出力点数:16点、極性:NPN |
■今後の展開
(1)希望販売価格(税抜き)
1,620千円
(2)販売目標
20台/年
(3)販売ターゲット業界(工程)
自動車業界をはじめ、加工・組立装置を有する業界