新発想の異種金属接合技術「AKROSE(アクローズ)」がさらに進化

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2020/7/1

新発想の異種金属接合技術「AKROSE(アクローズ)」がさらに進化

 

~ 異なる金属同士を強固に密着させる「AKROSE HYBRID」を開発 ~

 日東精工株式会社(代表取締役社長:材木正己、本社:京都府綾部市井倉町梅ヶ畑20番地、東証1部上場、URL:https://www.nittoseiko.co.jp/)は、2018年に異種金属接合技術AKROSE(アクローズ)を発表以来、部材間の導電性を
重視される電池業界を中心に高い評価をいただいてまいりました。この度、AKROSEの密着性をさらに向上させた
「AKROSE HYBRID」を開発し、ラインナップに加えることになりましたのでご案内いたします。


■開発背景

 近年、自動車業界や電池業界を中心に軽量化や低コスト化などを企図したマルチマテリアル化の流れが強まっており、これを実現する接合技術の開発が求められています。この要請に応えるべく、当社では冷間圧造技術をいかした異種金属接合技術AKROSEを開発しましたが、この度、このAKROSEに冶金的接合である拡散接合を加えたハイブリッド接合技術「AKROSE HYBRID」を開発いたしました。   

 AKROSE HYBRIDは、持続可能な社会の実現につながるお客様のモノづくりを軽量化・資源の効率化などの面からサポートしてまいります。


■技術概要

 AKROSE HYBRIDは、AKROSEで接合された部品を接合材料に適した条件で熱処理することにより、接合界面における原子の相互拡散を生じさせ、接合界面の密着性を原子レベルにまで向上する金属接合技術です。


 接合メカニズム(アルミニウムと銅の接合例)


 〇接合界面付近の元素マッピング(アルミニウムと銅の接合例)



■特徴
 (1)拡散接合が難しい材料にも対応
    
AKROSE HYBRIDにおいては、接合部材表面に形成された酸化被膜がAKROSEによる接合時の塑性変形により破壊
    されるため、酸化被膜を除去する前処理などを行うことなく拡散接合が可能です。これにより、酸化皮膜の影響で
    拡散接合が難しいアルミニウム等についても、比較的容易に拡散接合することが可能です。

 (2)接合部の安全性が向上

    AKROSE HYBRIDも他の冶金的接合と同様に接合界面には硬くて脆い金属間化合物を生成します。しかし、 
    AKROSEの物理的な引っ掛かり構造から得られる接合構造が金属間化合物層の脆さを補うことから、接合界面にお
    ける高い密着性と接合強度とを両立することが可能です。

 
 (3)大量生産が可能

    一般的な拡散接合においては、双方の部材を加圧して密着させた状態で熱処理するため、部材同士を加圧する専用
    の装置や治具が必要です。しかし、AKROSE HYBRIDでは、AKROSEによる接合段階で新生面同士が強く密着して
    いるため、熱処理するだけで拡散接合が可能です。



■製品仕様

 適用材質  :アルミニウム、銅 

 部品サイズ :軸径φ3~φ10mm

 部品形状  :板部と軸部からなる形状(下図に一例を示します)
        

    

 板部:アルミニウム                板部:アルミニウム 
 軸部:銅                     軸部:銅(Niめっき付き)


 ※板部はトリミングにより異形状にすることが可能です。
  軸部は多段及び中空穴加工にすることが可能です。

 ※上記以外の仕様についての適用もご相談に応じます。

 

■今後の展開

(1)販売開始日      
   2020年10月を予定


(2)販売目標       
   2021年度に月産100万本の出荷を目指します


(3)販売ターゲット業界  
   自動車業界、電池業界、家電業界、電子機器業界、インフラ業界など

 

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