冷間圧造・転造技術を利用した『ギヤ部品』の開発

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2020/4/1

冷間圧造・転造を利用した『ギヤ部品』の開発

 

~ 切削加工と比較し大幅なコストダウンを実現 ~

 日東精工株式会社(代表取締役社長:材木正己、本社:京都府綾部市井倉町梅ヶ畑20番地、東証1部上場、URL:https://www.nittoseiko.co.jp/)は、この度、冷間圧造および転造技術を利用した「ギヤ部品を開発致しました。同製品は、2020年4月1日より本格的に販売を開始いたします。



■開発背景

 近年、自動車業界を中心に電動化が進み、ギヤ(歯車)部品の大量生産を求められるようになってきました。従来のギヤ部品は、一般的に切削加工や研削加工で仕上げられるため、材料屑の発生による材料の損失が生じ、かつ多くの加工時間を要しておりました。そのため、高コストになることや生産能力の確保が難しく、他工法への切り替えを検討される機会が増えておりました。

 このような背景から、切削加工等を用いないギヤ部品の開発に取り組み、これまで当社で培われた工業用ファスナー(ねじ)の製造技術を活かした、冷間圧造・転造加工によるギヤ部品の開発に成功しました。

 今後当製品の市場供給を通じ、大量生産への対応および大幅なコストダウンを実現し、お客様のモノづくりを強力にサポートしてまいります。



■製品概要

 工業分野においては、様々な製品でギヤ部品が用いられています。その中でもウォーム(ねじ歯車)とウォームホイール(はすば歯車)を組み合わせたウォームギヤは、機構を小型化する上で需要も多く、その種類も豊富です。このような市場の状況を踏まえ、ウォームやウォームホイールの開発を進めました。様々な形状のギヤ部品についても製造可能です。
        
              〈製品例〉                         〈製品例〉   
                       ウォーム部の歯部拡大写真



■製品特長 


(1)大幅なコストダウンが可能

   切削加工による歯車の製造と比較した場合、加工時間は1/5程度になります。また、圧造・転造加工は切削屑が出ない
   ため、材料費
を低く抑えられます。このため、切削品から切り替えることで大幅なコストダウンが可能になります。

(2)滑らかで美しい仕上がりを実現

   ウォーム部を転造で仕上げているため、歯面が滑らかで、表面粗さRz3.2と美しい仕上がりも可能となります。また、
   転造加工による加工硬化で傷にも強く、これらによって、本ギヤ部品は動作時に高いレベルの静寂性を実現します。


(3)製品ごとの寸法のばらつきを抑制

   圧造・転造は金型を用いた加工になります。同一金型で加工されたギヤ部品は寸法精度のばらつきが少ないため、ギヤ
   部品の組付け
精度や組立効率を高めることが可能です。

 

4)ギヤ部品自体の強度を向上

   冷間圧造および転造加工を用いて成形したギヤ部品は、ファイバーフロー(金属組織の流れ)が切断されないため、切
   削や研削加工に比べると強度が高まります。


■製品仕様の一例

 ウォーム
 モジュール      :0.2~0.6
 圧力角   (度):20
 条数         :1条、2条
 歯先円直径(mm):2.2~6.1
 基準円直径(mm):1.8~4.9
 歯底円直径(mm):1.3~3.4

 ※上記以外の仕様・ウォーム以外のギヤ部品についてもお気軽にご相談下さい。



■今後の展開

(1)販売開始日  
   2020年4月1日

(2)販売目標  
   2021年度に月産50万本の販売を目指します。

(3)販売ターゲット業界   
   自動車業界、家電業界、カメラ業界、OA業界、玩具業界など

 

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