鋼板に圧入して一体化させる「新型クリンチングスタッドボルト」を開発

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2021/1/8

鋼板に圧入して一体化させる「新型クリンチングスタッドボルト」を開発

 

~ 回り止め強度の向上、バリの軽減、反りの軽減により品質向上を実現 ~

 日東精工株式会社(代表取締役社長:材木正己、本社:京都府綾部市井倉町梅ヶ畑20番地、東証1部上場、URL:https://www.nittoseiko.co.jp/)は、このたび、締結部材に圧入して使用する際、圧入品質と回り止め機能を共に向上する新型クリンチングスタッドボルトを開発いたしました。本年2月1日より販売を開始いたします。なお、同製品につきましては、特許出願中です。



■開発背景

 締結部材におねじを圧入して一体化させるクリンチングスタッドボルトは、自動車業界を中心に多くの業界で採用されています。従来のクリンチングスタッドボルトは、締結部材へ圧入時、締結部材の反りや圧入箇所のバリなどを発生させる問題を抱えていました。製品の高精度・高品質化が求められる昨今、これらの事象は不具合の原因となるため、その改善が求められていました。

 このような背景から、これまで当社で培われた工業用ファスナー(ねじ)の製造技術や金型製造技術を活かして研究を重ねた結果、反りやバリの発生を軽減しつつ、従来品以上の回り止め強度(空転トルク)を得ることができる「新型クリンチングスタッドボルト」の開発に成功しました。新型クリンチングスタッドボルトは、従来品と同様に締結部材に圧入するだけでこれまで以上の製品品質を実現し、お客様のモノづくりを強力にサポートしてまいります。




■製品概要・特徴

 新型クリンチングスタッドボルトは、従来のクリンチングスタッドボルトで採用されていた一様な厚さのローブ状回り止め突起に代え、ローブ状の縁部のみをリング状に残した回り止め突起(下図参照)を採用することで、部材圧入時に締結部材に掛かる負荷を軽減し、締結部材の反りを抑制します。また、回り止め突起内側の凹部に圧入時に変形する締結部材を収容できるため、この変形部分がおねじ側に突出してバリとなることを防止するとともに、回転方向への回り止め強度を向上します。





■効果

 (1)回り止め強度の向上
    
回り止め突起をリング状のローブ形状とすることで、クリンチングスタッドボルトを回転させた際に締結部材が
    潰れて空転するまでの回り止め強度が向上します。(従来比27.7%UP)

     

    ※従来品は一様な厚さのローブ状回り止め突起のもの       回り止め強度の測定方法


 (2)バリ発生の軽減

    回り止め突起をリング形状とすることで、おねじ軸部付近の材料流動を回り止め突起内側に収容し、バリの発生を
    抑えます。
      
     


 (3)反りの軽減

    回り止め突起をリング形状とすることで、圧入時に締結部材の材料流動を減らし、材料流動に伴う応力を緩和できる
    ため、締結部材の反りを抑えることが可能です。鋼板をはじめ反りやすい銅板などにおいても効果を発揮します。


   



■製品仕様

 ボルトサイズ  :Φ5、Φ6

 適用締結部材  :鋼、銅、アルミニウムなど

 ※上記以外の仕様についての適用もお気軽にご相談下さい。

 

■今後の展開

(1)販売開始日      
   2021年2月1日


(2)販売目標       
   2021年度に月産100万本の出荷を目指します


(3)販売ターゲット業界  
   自動車業界、家電業界、OA機器業界など

 

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