2016/7/8
地盤調査機「ジオカルテ」 JAXA(宇宙航空研究開発機構)月面地盤調査の研究に参画
■はじめに
戸建住宅の自動地盤調査機「ジオカルテ」を製造・販売する日東精工株式会社(本社・工場:京都府綾部市 代表取締役社長:材木正己)は、国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構(以下、JAXAといいます)の「宇宙探査イノベーションハブ」の研究テーマとして採択された「スクリュードライビングサウンディング(SDS)による月面でも利用可能な地盤調査技術の確立」について、東京都市大学、ジャパンホームシールド株式会社、東急建設株式会社と共同研究を開始し、ここに正式始動したことを発表しました。
地盤調査機「ジオカルテ®Ⅲ」 宇宙探査イノベーションハブ
(写真はSDS-TypeF) ホームページ https://www.ihub-tansa.jaxa.jp/
■ 背景
当社では、近年では地震の多いニュージーランドや軟弱地盤の多いタイなどへの海外展開を加速させると同時に産学連携を強化するなか、東京都市大学を代表機関としてJAXAの「宇宙探査イノベーションハブ」が宇宙探査に向けた研究提案募集(RFP)へ応募。採択された地盤推定手法の確立を研究テーマとする「スクリュードライビングサウンディング(SDS)による月面でも利用可能な地盤調査技術の確立」に協同機関として参画することとなり、これまでジオカルテで培った経験を活かし、新たな地盤調査手法の確立を目指していくものです。
■ SDS試験
JIS規格にもある地盤調査方法「スウェーデン式サウンディング試験(以下、SWS試験)」で同じ硬さを示す地盤でも、土質によっては改良工事を要する場合があります。この改良工事の要否をより正確に判断するために、SWS試験の計測項目に加えてトルクを計測し、その計測データに基づいて地盤の土質を推定できるようにした試験がSDS試験です。
※SDS試験に係る技術・方法は、東京都市大学(末政教授)、ジャパンホームシールド株式
会社、当社の共有特許によって保護されています。
■実施計画について
①研究課題名
スクリュードライビングサウンディング(SDS)による月面でも利用可能な地盤調査技術の確立
②研究目的
月面探査ローバに搭載されたアースオーガーの掘削情報に対して、スクリュードライビングサウンディング(SDS)と
呼ばれる現行の地盤調査方法の定数推定アルゴリズムを援用して、月面の地盤定数を推定する方法を提案するとともに
地上での地盤対策技術の高度化を目指す。
③研究内容
1) 試験装置の作製
2) 砂地盤への貫入試験
3) 地盤定数の推定式の構築
④実施機関
東京都市大学 (所在地:東京都世田谷区 学長:三木千壽)
ジャパンホームシールド株式会社 (所在地:東京都墨田区 代表取締役社長:斉藤武司)
東急建設株式会社 (所在地:東京都渋谷区 代表取締役社長:飯塚恒生)
日東精工株式会社 (本社:京都府綾部市 代表取締役社長:材木正己)
⑤成果の目標
月面ローバのアースオーガーによる月面地盤調査方法を提案し、得られた結果から月面の地盤定数を推定する方法を
提示する。また、アースオーガー形状の掘削特性から地上での杭打ち施工の管理方法を検討する。