スウェーデン式試験法(SDS試験法)の開発が地盤工学会の技術開発賞を受賞

スウェーデン式試験法(SDS試験法)の開発が地盤工学会の技術開発賞を受賞
~ 土質判定の困難さを克服する新技術、低コストかつ高い汎用性などが評価 ~
■はじめに
戸建住宅用の自動地盤調査機「ジオカルテ」を製造・販売する日東精工株式会社は、スクリュードライバーサウンディング試験(以下、SDS試験)の開発に携わった当社および東京都市大学、ジャパンホームシールド株式会社と共に、公益社団法人地盤工学会の平成29年度地盤工学会賞(技術開発賞)を受賞し、去る6月6日に行われた総会にて授与されました。
<授与式出席者:写真左より末政直晃(東京都市大学)、大和眞一(ジャパンホームシールド㈱)、
山添重博※(日東精工㈱)、田中剛(東京都市大学)、敬称略> ※代理出席
■背景
当社の地盤調査機「ジオカルテ®」は、スウェーデン式サウンディング試験(以下、SWS試験)をコンピュータ制御によって初めて自動化した調査機であり、従来の手動式試験方法から大幅な能率向上を図り、発売以降、快適で正確な貫入試験を実現してまいりました。現在では、SDS試験機をシリーズに加え、業界のスタンダード機として認知されています。
また、地震の多いニュージーランドや軟弱地盤の多いタイなどへの海外展開を加速させると同時に産学連携にも注力しており、より正確な土質判別に向けた研究を進めています。
今般、SDS試験は、「現在、普及しているSWS試験の問題点である土質判定の困難さを克服する技術」であること、「調査にかかるコストを抑え、住宅がかかわる地盤の問題を解決する方法のひとつとして高い汎用性を持つこと」などが高く評価され、同賞を受賞することになりました。
日東精工は、今後も快適な地盤調査手法の確立を目指し、安心・安全な住まいづくりに貢献してまいります。
■SDS試験
JIS規格にもあるSWS試験で同じ硬さを示す地盤でも、土質によっては改良工事を要する場合があります。この改良工事の要否をより正確に判断するために、SWS試験の計測項目に加えてトルクを計測し、その計測データに基づいて地盤の土質を推定できるようにした試験がSDS試験です。
※SDS試験にかかわる技術・方法は、東京都市大学、ジャパンホームシールド株式会社、当社の共有特
許によって保護されています。
■地盤工学会賞(技術開発賞)受賞の概要
受賞業績名:「トルク計測を加えた新しいスウェーデン式試験法(SDS 試験法)の開発」
受賞者名 :末政直晃(東京都市大学)、田中剛(東京都市大学)、大和眞一(ジャパンホームシール
ド株式会社)、足立由紀夫(日東精工株式会社)
授賞理由 :本技術は、戸建住宅用地盤調査法として普及しているスウェーデン式サウンディング試験
法に関して、その問題点である土質判定の困難さを克服する方法として開発されたもので
ある。開発に際して、サンプラーを併用するのではなく、トルク計測を追加することで問
題を解決している。住宅施工前の地盤調査に対して有用性が高く、コストを抑えて住宅が
関わる地盤の問題を解決する方法の一つとして汎用性があると考えられることから、本研
究は技術開発賞としてふさわしいと認められた。
■日東精工会社概要
日東精工株式会社(東証一部上場)は、工業用ファスナー(ねじ)やねじ締め機、計測検査装置などを手掛けるメーカーです。世界で初めて精密ねじの量産化を成功させ、精密ねじやセルフタッピンねじでは、大きなシェアを誇ります。
ジオカルテを製造・販売する制御システム事業部は、各種流量計を始め、マイクロバブル洗浄装置や検査装置のシステム製品など製造品目は多岐に渡り、皆さまの暮らしの安心・安全をお届けしています。
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