• 各種ダウンロード
  • メルマガ配信登録
  • お問い合わせ

HOME > ブログ > 新春座談会② 山崎市長、ポプラ社奥村様・千葉社長をお迎えして

新春座談会② 山崎市長、ポプラ社奥村様・千葉社長をお迎えして

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 

《新春スペシャル座談会》
当社代表取締役社長 荒賀誠が山崎善也綾部市長と
ポプラ社の前社長奥村傳さん・現社長千葉均さんを
お迎えして「つなげる大切さ」を語り合いました


当社は創業以来、地域に貢献することを企業理念に謳い、
近年はサステナビリティ経営を推進しています。
新春スペシャル企画として3人のゲストをお招きして、
当社代表取締役社長と次代、次々代のために守るべきものを
「つないでいく」大切さを語り合っていただきました。




→前編はこちらからご覧ください


戻ってこられる場所があるという安心感

千葉:地域貢献という観点では、日東精工さんはほかにはどんな活動をされているのでしょうか?

荒賀:もともと会社を創業した目的が地域の男性雇用の場を増やすことでしたので、創業理念のいのいちばんが「地域に貢献する」となっています。高校を卒業していったん進学で地域を離れても、また戻ってこられる場・働ける場があることは大きいと思います。それから大学生向けの奨学金を用意したり、綾部工業研修所を通して若い技術者を養成したり、具体的な例はたくさんありますが、現役でなく会社を辞めたOBの方がさまざまなシーンで地域貢献されていることが誇りです。

山崎:いろいろな地区で自治会長として日東精工出身者の方が活躍されています。綾部市には日東精工さんやグンゼさんといった上場プライム企業の本社があり、こういったところでマネジメントをしっかり学んだ方が、定年退職後に、地域で活躍されているのもありがたいです。

荒賀:会社に勤めているときは、業務ではないけれど、会社理念に沿って仕事をするわけですが、会社を離れたところで、自分の意志でということは、まさにホンモノであるわけで、OBの姿を見ながら、自分たちも律していきたいと思っています。

奥村:子どもが親の姿を見て育つように、会社は先輩や上司、そしてOBの姿を見て育つわけですね。

           山崎善也綾部市長。綾部高校から九州大学へ進学。日本開発銀行(現・日本
           開発銀行(現・日本政策投資銀行)」に勤め国際統括部長として世界を舞台
           に活躍後、綾部市にUターン。市長自身が「新しい田舎生活」の実践者。
           現在市政4期目


山崎:霞が関などの官庁で若い人が離職する率が増えていると聞きますね。先輩や上司を見ていて、10年後、20年後、自分はそうはなりたくないと、夢をもてなくなったというわけですが、地方にはじつはいろいろな可能性があります。昨年秋に『新しい「田舎生活」のすすめ~「移住立国あやべ」で見つけたワクワクのヒント41』」という本が出版されているのですが、そのなかで日東精工の女性社員の方も登場され、いろいろな価値観をもった多種多様な人を紹介しています。昔は〈都会で一旗揚げて田舎に帰る〉だったわけですが、今は〈田舎に帰って、あるいは田舎で一旗あげる〉時代だといっています。

千葉:その本を拝読しました。ある女性の方が夢だった雑貨とおもちゃのお店をオープンさせた。ただ正直、そのお店の収益だけでは生計が成り立たないので、午前中は運輸会社でパートで働いておられるのですが、午後は、自分のお店を開いて、いろいろなイベントなどもされて、コミュニティの場として成り立たせておられるんですね。賃貸料が高い都会だとできないけれど、地方だとそういうチャレンジがどんどんできるわけですね。綾部は「半農半X」発祥の土地ですが、「半〇半X」とういう選択肢が広がっているということでしょう。

山崎:都会だとチャレンジするにもお金がかかるし、失敗したときのダメージも大きい。しかし、地方都市だとリスクが小さいですし、ダメでも再チャレンジができる……

           奥村傳さん。ポプラ社の社長、会長を退任後、NPO法人「絵本文化推進協会」
           を設立し、絵本や絵本専門士を普及する活動とともに、2023年からは大阪府
           豊中市に絵本のお店「PICO」をオープン。また長男の和之氏はステンドグラ
           ス作家で、綾部市図書館には和之氏の綾部を題材にした作品が展示されている


女性が活躍できる「場」を
たくさんつくっていく


奥村:そういう意味で「場」がたくさんあるということですね。少しばかり自分の宣伝をさせていただくと、今、絵本文化推進協会の理事長をしています。
 絵本は次代、次々代につなげる大事なもので、「絵本専門士」という資格もあります。絵本の読み聞かせをするだけでなく、「こんなテーマの絵本はありますか」とか「誰々の絵本を探している」といった絵本に関するリクエストに応えられるプロなのですが、せっかく、この難しい資格をとっても、じつは活躍できる場が少ないのです。それで、私はもともと出版社に務めていて、書店さんや作家さんとの人脈があるので、それを最大限生かして絵本専門士の活躍の場を増やしていければと思っています。今回オープンした図書館は複合施設で、300名が集えるホールも見学させてもらったのですが、図書館さんと早速打ち合わせをさせていただいて、2024年の秋に綾部で絵本のイベントを実施できればと思っています。

荒賀:絵本専門士さんは女性の方が多いのですか?

奥村:7割が女性ですね。

荒賀:となれば絵本専門士の活躍の場が増えるということは、今、社会の課題となっている女性活躍の場が増えていくということにもなりますね。当社には障がい者雇用のための特例子会社「日東精工SWIMMY」があります。SWIMMYの社名はレオ・レオニの絵本『スイミー』から取ったものですが、この会社の社長は女性です。2030年には上場企業は女性役員の比率を30%にするという目標数値がありますが、女性が責任ある地位についてどんどん活躍していくようにするのも、当社の願いであり、課題です。

山崎:また新しい書籍を企画していて、今度のテーマは「あやべで輝く女性」です。詳細はこれからですが、たとえば綾部出身者には吉川茂仁香というカトリックの修道女がいて、この方は東京の聖心女子学院の校長時代に、美智子上皇后陛下をはじめ、国連難民高等弁務官の故・緒方貞子さんや作家の曽野綾子さんに影響を与えた人です。活躍しているのにこれまであまりスポットライトが当たらなかった女性、歴史上の人も、今の人も含め、女性に焦点を当てて、そういう人をロールモデルにどんどん女性活躍の場が増えていければと思います。

千葉:
ポプラ社でも「コミック版世界の伝記」シリーズで、女性を取り上げています。ナイチンゲールやキューリー夫人といった有名人だけでなく、アメリア・イアハートという女性初の飛行士であったり、メアリー・アニングという女性発掘家だったり、いろいろなジャンルの女性を取り上げています。シリーズに収めたい女性がこれから次々生まれてくるといいですね。

荒賀:まとめになりますが、きょうの皆さんのお話をうかがっていて、やっぱり大事なのはワクワクする気持ち、自分が楽しむことなのかと思います。
 奥村さんに最初にご紹介いただいた当社『人生の「ねじ」を巻く77の教え』のなかの51番では、徹底的に好きになる、ライクではなくラブの段階まで引き上げる大切さを説いています。
 ビジネスも教育も、そしてまちづくりも、もちろん、ときにはつらいこと、我慢しないといけないことも多々あるわけですが、それでも、自分がやっていることに「愛」がなければ広がってもいかないし、つながってもいかないわけです。当社もこれからもたくさんのワクワクを提供していければと思いますし、またそこに働く多種多様な人たちがワクワクできる環境づくりに努めたいと思います。奥村さんが広められている絵本専門士の資格、ぜひ、自分もチャレンジして取得して、絵本の読み聞かせができるといいなと思いました。皆さん、ご多用のなか、ほんとうにありがとうございました。

      綾部駅北口に図書館と地域交流センター(ホール)、そして子育て交流センター(あやっこひろば)
      が入る複合型施設「あやテラス」が2023年11月25日にオープン。図書館は旧図書館の約2・5倍の
      広さで、収蔵可能冊数は12万冊。エリアが知識の森、絵本の森といったように分けられ、図書館そ
      のものが森のようにどんどん育って広がっていくことを目指している



※本ページの内容は、ニュースレター1月号にも掲載しています

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加