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HOME > ブログ > 【ニュースレター・2019年8月号(第56号)】ベクトルと呼吸を合わせる大切さ ~山下信幸理事長・材木正己社長対談特集

【ニュースレター・2019年8月号(第56号)】ベクトルと呼吸を合わせる大切さ ~山下信幸理事長・材木正己社長対談特集

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「ニュースレター」は毎月15日発行の社外報です。(メルマガ読者には翌日の16日に配信)

日東精工の取り組みや旬のTOPICS、コラムなどお役立ち情報をお届けしています。

今月号はこちら

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~日東協力会創立65周年を記念してインドネシア視察ツアー開催

日東精工グループの価値向上のために

関連子会社、協力会社が

ベクトルと呼吸を合わせていく!

 

日東精工は地方創生をけん引するコネクターハブ企業として経済産業省から高く評価されていますが、

その評価のひとつが地域の協力会社で構成されている

「協同組合日東協力会(以下日東協力会)」との良好な関係です。

本年5月には、その日東協力会65周年を記念したインドネシアNAI社視察ツアーが開催されました。

このツアーに参加した日東協力会理事長山下信幸さん(サント機工㈱代表取締役社長)と、

当社代表取締役社長材木正己との企業価値向上についての対談を特集します。

 

 NAI社視察集合写真

                   

 

インドネシア流

「おもてなし」に大感激!


材木正己社長(以下:材木):今日はインドネシアの現地法人PT. NITTO ALAM INDONESIA(以下NAI社)のブカシ工場をご視察いただきましたが、いかがでしたか。どんな印象をもたれました?

 

山下信幸理事長(以下:山下):皆さんの歓迎ぶりに大感激です。従業員の皆さんが入り口で待っていてくださり、バスから降りてくる我々一人ひとりに「こんにちは」と日本語で声をかけてきてくださる。工場見学用の帽子もゲスト用の使い回しでなく、今回のツアー名を刺繍で入れていただいて記念品になるようにしていただきました。ほんとうに目配り、気配りが行き届いて・・・・・・、もはや「おもてなし」は、日本の専売特許じゃありませんね。

 

材木:ありがとうございます。もちろん、日本のいいところは現地でもどんどん取り入れてもらっていますが、「郷に入れば郷に従え」という言葉があります。人口の約90%がイスラム教の国で、祈りを大事にしているから、工場内にもお祈りができるスペースを設けています。文化とか国民性の違いがありますから、日本はこういう流儀だからという押し付けはいけません。そのあたりをNAI社の久馬武彦社長がバランスを取りながらリーダーシップを発揮し、日本での留学経験も豊富なPRIYA SETIADI(テディ)取締役が絶妙な調整役を担ってくれています。

 

山下:このブカシ工場(インドネシア第2工場)は昨年8月から操業を開始したばかり。新しい工場だからということもあるからでしょうか、とても明るい印象でした。

 

NAI工場見学

 

 

お客様ニーズに応えるため

スピードアップで新工場を操業


材木:ここは何から何まで新規ということでなく、もともとは日系ねじメーカーの現地法人インドネシア工場を事業譲渡したものです。先ほどNAI社の久馬武彦社長が事業概要をご説明しましたが、インドネシア経済は右肩上がりで当社製品への需要も多い。当社は1985年にインドネシアにNAI社を設立しタンゲラン県に工場を設け操業しているのですが、4年前に比べると売り上げは180%、ここ近年需要と供給のバランスからも生産力アップが喫緊の課題だったわけです。新工場の候補地をいろいろ検討したけれど、いかに早く操業開始ができるか、お客様ニーズに素早く応えられるかも選択基準のひとつでした。それで最終的にこの工業団地内にあるブカシ工場を譲り受けることにしました。

 

山下:確か2018年2月に譲渡され、その半年後には新工場として操業を開始されています。すごいスピードですね。

 

材木:土地を購入してイチからスタートということではこうはいかなかったでしょう。自分たちが使いやすいように壁を取り外したり、屋根を増設したり、現地のみんなが急ピッチで作業を進めてくれたわけです。もともとあった設備を当社のコーポレートカラーに上塗りしたので、明るくきれいに見えますが、必ずしも新しいものばかりではない・・・・・・。

 

山下:いえいえ、先ほど明るいと申し上げたのはなにも設備面だけでなく、そこにいる人たちのことでもあるわけで、皆さん、じつにいきいきしておられる・・・・・・ 久馬社長にお聞きしたのですが、いわゆる社員旅行や工場の竣工式などにも、従業員だけでなくその家族も皆招待しているそうですね。この一体感、高度経済成長期の古き良き日本を思い出しますね。モノづくりの基本は人づくりというのは世界共通でしょう。人を育て人間関係がうまくいっているから、ここぞというときに一丸になれます。

 

材木:ほんとうにそうだと思いますね。最近こそ少なくなりましたが、かつては「日東さんが海外進出されるのは人件費を安く抑えるためですか?」とよく聞かれました。そうでなく、お客様のニーズに応えるために、よりお客様に近いところにいて細やかに対応するためです。だからこそ従業員の満足度を高め、質を高めないといけない。いま山下理事長が古き良き日本を思い出すとおっしゃったけれど、僕は日本人の社員によく言うんですよ。「君らは自分たちの技術のほうが進んでいると思っているかもしれないけれど、東南アジアの人たちから学べるものがいっぱいあるんだよ」と。 

 

山下理事長・材木社長対談

 

 

外から学んで

井の中の蛙にならない

 

山下:昨年の秋にグローバルQC大会を綾部の本社で開催し、台湾、中国、インドネシア、タイ、マレーシアなどの現地法人の代表が一堂に会したのも、そういう背景があるわけでしょう?

 

材木:いいモノをつくるにはしっかりとした設備投資が必要です。このブカシ工場もごらんいただいたように、さらに新しく建屋を建ててラインを増設する準備中です。生産を一貫化させることで、四輪車や二輪車ユーザーへの需要対応が15%はアップする予定です。しかし、その一方で、あれが必要、これが必要という声にすべて応えるのは難しい。今あるもの、与えられたもので、いかによりいいモノををつくっていくか、改良していくか、無駄をなくしていくかということも大事なんですね。この設備で〈よくぞこれだけのものを仕上げられるな〉という匠の技をもつ職人は海外にもたくさんおります。

 確かに技術面では日本がリードしていて、戦後日本が歩んできた道を後からたどってきているという側面もあるでしょう。でも「初心忘るべからず」ではないですが、だからこそ、海外からも得られるものがあるのです。

 

山下:グローバルQC大会後の研修で日東協力会の波多野製作所にもマレーシアの方が研修視察に来られたのですが、通りいっぺんの視察ではなく、熱心に質問をしてメモを取り、ときには研修生同士が現地語で熱く意見を戦わせたりして、その姿勢がとても刺激になったと波多野社長が言っておりました。今回の視察ツアーの目的に挙げたひとつでもありますが、私ども日東協力会も、井の中の蛙になってはいけない。そしてただ漫然と今ある目の前の仕事をこなしていくのではなく、あるいはヒナが巣の中で親鳥が餌を運んでくるのを待っているだけではいけないということを肝に銘じていきたいと思っております。 

 

山下理事長

 

 

関連会社、協力会社が一丸となり

ベクトルと呼吸を合わせる

 

~協同組合「日東協力会」はそもそもどんな会なのかをご説明いただけますでしょうか?

 

山下:昭和29(1954)年に中小企業組合法に基づいて設立されたもので、日東精工さんの主要外注先21社で構成されました。主な事業は組合員各社のための金融事業ですが、研修会や懇親会も行っています。入れ替わりもありますが、今は18社ですね。

 

材木:日東精工が地方創生をけん引する「コネクターハブ企業」のモデルとして経済産業省から高く評価されたことがあります。もともとその地にあった地場産業ではないけれど、本社のある地元にたくさんの協力会社とのいい関係を構築し、その地域の経済に貢献しているということが、評価理由でした。いい関係を構築するというのは片思いでは成り立たないわけです。

 日東精工の社史にこんな記述が残っていました。日東協力会20周年のときの当時の取締役工務部長の言葉ですが・・・・・・〈親企業の苦労をそのまま会員各位に押し付けた時代もあり、資金面においても多大のご迷惑をおかけしたことなど当時を思い返して汗顔のいたりであります。会員各位には耐えがたきを耐え、当社とともに苦難の道を歩み続けていただきましたことを今更ながら感謝に堪えないところです〉と発言しております。

 とりわけ、山下理事長が会長を務めておられるサント工機さんには、設立当初から組合員になっていただいており、悪い時代もいい時代も常に変わらず当社を支えていただいていることに改めて感謝申し上げます。

 

山下:いえいえ、こちらこそありがとうございます。いま材木社長がおっしゃった、まさに片思いでは成り立たない関係ですね。日東協力会の入会規則には、たとえば日東精工さんとの取引が全体の何割以上ないといけないといったような数字の縛りはまったくありません。一業種一社でもなく、業種業容が重なっていてもいいわけです。ちょっとオーバーといいますか、気障な言い方をすれば、日東精工さんと価値観を共有できる仲間が協力会の会員(組合員)だと思っています。

 言葉を換えれば、単なる親睦団体だけであってはならないわけで、皆がしっかりクオリティを守り、高めていかないといけません。1社でも足を引っ張るようなことがあってはいけない。だから、日東協力会でもQC活動を共有していますし、私も理事長として、煙たがられるとはわかっておりますが、日東協力会各社を定期訪問したりしております(笑)

 

材木:本当にありがたいお話です。以前、このニュースレターの対談で三菱電機の当時の柵山正樹社長に〈綱引きのたとえ話〉をうかがったことがあります。皆が同じ方向に引っ張らないと綱引きは勝てない。

 

山下:しかもタイミング(呼吸)を合わさないといけない。それは会社経営も同じだということでしたね。

 

材木:成長路線もあって新しい関連子会社や海外拠点が増えています。もちろん、ただ拡大すればいいというわけでなく、まさにベクトル&呼吸合わせが大事ですね。日東協力会さんとも、これからもより良い関係が築いていければと思います。今日はありがとうございました。

 

山下理事長と材木社長

 

イスティクラル

  

 

 協同組合「日東協力会」

特集でもご紹介していますが「協同組合日東協力会」は昭和29年8月に設立され、

本年65周年を迎えました。現在は下記18社で構成されています。

  

日東協力会18社

 

 

 2.【TOPICS】

 ・当社代表取締役社長材木正己が地元コミュニティラジオに出演

 ・インドネシア研修生が地元中学の「多文化共生」授業に協力 

 ・夏休みを利用して子どもたちに「ねじ」の大切さをアピール

  そして、今年も図書館に児童書を寄贈しました 詳しくはこちら

                                          

3.【正己語録⑳】

  本質的安全設計と「ハイボール」

 

4.【連載⑳・あやべちょっと寄り道】

  星空観測に最適 天文館パオ

 


 

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