【ニュースレター・2018年5月号(第41号)】日東精工「京都R&Dセンター」には次世代、次々世代につながるシーズがある

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大学やベンチャー企業との連携
日東精工「京都R&Dセンター」には
次世代、次々世代につながるシーズがあります
プロフィールを見ますと、京都大学関連はもちろんですが、文部科学省、JST(科学技術振興機構)、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)など、多くの国家プロジェクトのプロジェクトリーダーを務められ、また京都市イノベーションセンター長や京都市成長産業創造センター長なども務められています。大学の助手時代にはアメリカに留学したとのことですが。
(平尾)これまで無機材料科学、応用物理学、理論化学、レーザー化学の研究に従事し、フォトニクスガラスの開発、光機能無機材料や水素燃料電池無機材料の機能発現の新手法などを研究してきました。これまでに学術論文を714、総説・解説165、特許210件、それに著書は訳書や共著を含め75冊を出しています。
京都大学の助手時代にはアメリカに留学したとのことですが。
(平尾教授、以下平尾)NYレンセラー工科大学から招聘されて家族ともども渡米しました。毎月必ず1報、論文を仕上げなければならないノルマがあって、米国滞在の3年間、観光旅行など家族サービスをする余裕は一切ありませんでしたが、とても身になりました。またこのときにはスペースシャトルの宇宙実験にも協力し、毛利衛さんや向井千秋さん、あるいは土井隆雄さんらとも知り合いになりました。彼らがまだ宇宙に飛び立つ前です。その後、準備を積み上げているときに起こったチャレンジャーの爆発事故。先行きがどうなるか不明のまま延期という事態に陥ったのですが、皆さん、その後、活躍されているのは周知の通りです。強い想いをもって努力を続けていれば必ず報われるという証(あかし)ですね。
アメリカではおもに「なぜガラスが割れやすいか」を研究され、その後、日本に戻られ京大助教授時代はNEDO実用化プロジェクトに関わり「ナノテクノロジーによるモノづくり」その後、さらには社会貢献を目的とする「先端光・レーザー加工分野の人材育成と国際貢献」となっていますが・・・
(平尾)一つひとつの研究を丁寧に説明すると、それぞれに一冊の本ができてしまいますので、大雑把に説明しますが、たとえばモノに「フェムト」秒単位(10のマイナス15乗=光でも1フェムト秒では1万分の3ミリしか進まない)のレーザーを当てると、瞬間的に雷のような電圧がかかり、熱をまったく与えないので、たとえばこれまでダイヤモンドのカッターで加工していた以上に美しく細密に仕上げることができます(写真参照)。3次元での光造形も簡単。ガラスの内側に染料なしで色を付けていくことも可能です。モノづくり・加工分野で今後、レーザーはより注目されるでしょう。
またアルミ缶を使って水素を発生させるシステム開発も研究中で、安価な水素ステーションを構築することで、循環型社会に貢献していきます。この固体水素源(CaH2)を利用した長時間走行のドローン開発も進行中で、このドローンにフェムト秒レーザーを組み合わせれば、レーザースキャンで従来の写真や映像撮影以上に詳細に地形や地質の状況がわかるようになり、たとえば、災害を事前に予測したり、2次災害を回避することにもつながります……。
こういった平尾教授の研究が日東精工の事業とも着実につながっているわけですね。
(平尾)ええ、既に行っているプロジェクトでは日東精工の製品を活用して、従来のものより高い評価を出しているものがあります。いろいろと可能性が広がります。また私は京都市成長産業創造センター長として、ベンチャー企業をしっかり評価し、その潜在力を他業種と結びつけることで、より魅力あるものの価値を生み出す媒介役をしています。この京都市成長産業創造センター内には、新しく日東精工の京都R&Dセンターが設立されていますので、いろいろな技術の種(シーズ)を、日東精工とどんどん結びつけていくことができるでしょう。人財育成ということにもつながります。
最後に平尾教授からみて日東精工をどう評価されていますか?
(平尾)中学時代、技術家庭の授業で「ねじ」をつくりました。いわばものづくりの出発点はねじですね。日東精工については、実直で昔の規律が守られながらグローバルに展開している素晴らしい会社だと思います。私のテーマのひとつが「国際貢献」ですが、その点でも一致します。それから、実は枕元に数冊の本を置いているのですが、その1冊として『人生の「ねじ」を巻く77の教え』を置いています。京都市成長産業創造センターだけでなく、京都市内にはバイオ計測のできる京都リサーチパーク、また京大桂キャンパスにベンチャープラザ、吉田キャンパスにナノハブ拠点を設け、それぞれをリンクさせています。日東精工の若い技術者や研究者がこういった施設をどんどん利用し、また他業種の人的交流をどんどん深めていくことで、次の世代、さらに次の世代へとつなげていける、いいモノづくりができることを願っています。
4.【TOPICS】
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5.【正己語録⑤】
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6.【連載⑤・あやべちょっと寄り道】
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