【軽量化支援ねじ】軽量化素材への正しい締結方法・ねじ選定とは?
自動車からのCO2排出量は、日本全体の排出量の約2割を占めており、地球温暖化対策を推進するため、自動車からのCO2排出量を削減することが重要な課題となっています。その対策の一つとして、自動車の燃費向上は必要不可欠です。ハイブリット車や電気自動車、燃料電池車などの開発が進められていますが、車両の軽量化も一つの有効な手段であり、100kgの軽量化により1km/ℓの燃費向上効果があるといわれています。
エンジン性能や燃費効率が優れていたとしても、
車体が重くなれば必然と燃費は悪化します。
逆に、車体の軽量化を実現すれば必ず燃費向上に繋がります。
そのようなことから「軽量化」は
自動車業界の永遠課題と言われています。
では、「軽量化」を実現するためにはどのような方法があるでしょうか?
ねじメーカーである日東精工がお役に立てる部分として
軽量化実現の方法として以下の3点に絞ってご紹介します。
①使用素材の軽量化
②使用素材の薄肉化(ハイテン)
③部品(ねじ)自体の軽量化
そのなかで今回は、①使用素材の軽量化と②薄肉化(ハイテン)にスポットを当てて解説します。
従来、車体の多くは鉄で製造されていましたが、近年では軽量素材への置換が進んでいます。
では、素材置換が進む中で「ねじ」も今までと同じでいいのでしょうか?
→素材に合ったねじを選定することが品質管理のポイントです!!
当社では、締結に関わるトータルコストダウンの提案としてねじのセルフタップ化を推奨しています。
実は、薄板締結や樹脂材への締結時にはナットが不要になり、軽量化にも繋がると期待されています。
コストダウンだけでなく軽量化にもメリットがあるセルフタッピンねじですが、
素材に合ったねじを選定しないと割れやゆるみという問題が発生しやすくなります。
では、どうすればいいでしょうか?
軽量化素材であるハイテン(高張力鋼)・アルミ・樹脂・CFRP素材の特徴とセルフタップ時の問題点、
またそれを解決する各素材に合ったセルフタッピンねじをご紹介します!
ハイテン(高張力鋼)
素材特徴 | 引っ張り強さが高い鋼板。従来の材料から薄肉化をしながらも強度確保が可能。 |
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締結時の問題 | 従来のセルフタッピンねじでは高強度材よりも硬度が低いためねじ山潰れが発生します。また、セルフタッピンねじ全体の硬度を高くすると、ねじ締結後に遅れ破壊のリスクが発生するため高強度材への締結には「タップ加工」を行い、小ねじを使用せざるを得ない可能性が高い。 |
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KATAX-CI特徴 |
弊社の高周波熱処理技術によりセルフタッピングを行う部位の硬度を従来のセルフタッピンねじよりも高くしており、締結相手材が高強度材であっても、セルフタッピングが可能となります。また、ねじ締結を行う部位は、従来のセルフタッピンねじと同じ浸炭焼入であるため、遅れ破壊に対する懸念は従来と変わりはありません。
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アルミ
特 徴 |
鉄や鋼と比べると比重が約1/3で、軽量化に貢献する 加工性に優れ、様々な形状に成形することができる 熱・電気伝導率が高く、鉄と比べて熱伝導率は3倍、導電率は2倍になる |
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締結時の問題 |
熱伝導が高いため、アルミが膨張・収縮し緩みにつながる 融点が低く軟質な(延性が高い)材料であるため,被加工材に対して凝着現象が起こる |
アルミタイト特徴 |
ADCなどに代表される軟質金属へのセルフタップ時に起こりうる焼付き、凝着現象によるねじ浮きを防止。温度変化時の軟質金属材と鋼製おねじとの熱膨張係数が異なることから起こるゆるみの発生を抑制します。 ※マグネシウム材にも対応可能
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樹脂
特 徴 |
比 重:金属類に比べ比重が軽い 耐衝撃性:一般的には金属に劣る 寸法安定性:温度変化に弱く、高温になるほど剛性・伸び等の特性が変化 |
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締結時の問題 |
振動や温度変化により形状が変化、ゆるみやすい セルフタップ時にボス割れが発生しやすい |
ギザタイト特徴 |
①温度変化や応力緩和によるゆるみを防止 ②振動でも戻り回転しない強力ロック形状
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CFRP
特 徴 |
比重は鉄の1/5と非常に軽い 軽いにもかかわらず強度(比強度・比弾性)に優れた素材である |
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締結時の問題 | セルフタップ時に繊維を破壊する恐れがある |
CFタイト特徴 |
①CFRPでも安定したセルフタッピングを実現 ②インサートナットやメネジ加工が不要 製品の軽量化やコストダウンを実現 ③CFRPだけでなくCFRTP、さらに樹脂や金属にも使用可能
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