【ニュースレター・2020年10月号(第70号)】新発想の異種金属接合技術「AKROSE」がさらに進化!

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新発想の異種金属接合技術「AKROSE」がさらに進化
異なる金属同士を強固に密着させる
「AKROSE HYBRID」を開発
当社では、異種金属接合技術「AKROSE(アクローズ)」に「拡散接合」を加えた
ハイブリッド接合技術「AKROSE HYBRID」を開発しました。
「AKROSE」で接合された部品を接合材料に適した条件で熱処理することで
接合界面における金属原子の相互拡散を生じさせ、密着性を原子レベルにまで向上する
金属接合技術です。今号ではこの製品特長をご紹介していきます。
マルチマテリアル需要に応える新技術
モノとモノをつなげるにはいくつかの方法があります。①ファスナー(ねじ)やリベットなどを使った「機械的接合」。②金属の接合部を局部的に溶融接合する〈溶接〉や加熱した接合部に圧力を加えて接合する〈拡散接合〉などに代表される「冶金的接合」③接着剤などを用いる「化学的接合」などですが、当社が開発した「AKROSE」はこういった従来の接合法とは違う新発想の異種金属接合技術です。
多種多様な工業用ファスナー(ねじ)を 製造開発してきた、当社冷間圧造技術を応用したもので、詳しくはホームページで動画にて解説しています。シンプルに言えば、鉄、銅、アルミニウム、ステンレスなど複数の異なる金属を、冷間圧造技術によって成形した後、プレス加工により、熱を加えず薬品も使わずに強力に結合させて、一つの部品に加工する技術です。
たとえば、軽量化のために部品の主体はアルミニウムを用いますが、導電性の高い銅を部品の軸部にだけ使うといったように、用途に合わせて組み合わせは自由自在。軽量化、省資源化、コストダウン、腐食防止などに大きく貢献し、昨今、自動車分野やハイテク分野などで需要が高まる、マルチマテリアル化に対応するものです。
AKROSE開発で、拡散接合の弱点を克服
異種金属接合・マルチマテリアル化に関連して、当社では「拡散接合」についても研究をしてきました。ただし、一般に「拡散接合」の場合、材料表面の酸化被膜を除去する必要があったり、部材同士を加圧する専用の装置や治具が必要であったりがネックとなり、製造面や品質面の問題から量産には至っていませんでした。
しかし「AKROSE」による接合時の塑性変形により酸化被膜が破壊され、また「AKROSE」による接合段階で新生面同士が強く密着しているため、特別な加圧をすることなく熱処理だけで「拡散接合」が可能となりました。これが「AKROSE HYBRID」です。
すでに開発している「AKROSE」に加え、これまで地道に研究を重ねてきた拡散接合を施した「AKROSE HYBRID」をラインナップに加えることで、自動車、電池、家電、電子機器、インフラ業界のニーズに、より細やかに対応していきます。この技術がお客様に付加価値を与え、小型部品におけるマルチマテリアル化を実現することで、産業の発展に貢献していきたいと考えています。
—「AKROSE HYBRID」製品特徴 —
(1)拡散接合が難しい材料にも対応
接合部材表面に形成された酸化被膜が「AKROSE」による接合時の塑性変形により破壊されるため、酸化被膜を除去する前処理などを行うことなく拡散接合が可能。これにより、酸化皮膜の影響で拡散接合が難しいアルミニウムなどについても、比較的容易に拡散接合することが可能です。
(2)接合部の安全性が向上
「AKROSE HYBRID」も他の冶金的接合と同様に接合界面には硬くて脆い金属間化合物を生成します。しかし「AKROSE」の物理的な引っ掛かり構造から得られる接合構造が金属間化合物層の脆さを補うことから、接合界面における高い密着性と接合強度とを両立することが可能です。
(3)大量生産が可能
一般的な拡散接合においては、双方の部材を加圧して密着させた状態で熱処理するため、部材同士を加圧する専用の装置や治具が必要です。しかし、AKROSE HYBRIDでは、AKROSEによる接合段階で新生面同士が強く密着しているため、熱処理するだけで拡散接合が可能です。
開発担当からのひとこと
異種金属接合技術の研究は、これまでに二つの大きなテーマがありました。一つは拡散接合技術であり、もう一つはAKROSE技術です。後者は当社の得意とする冷間圧造技術を活かしたオリジナル接合技術として量産を実現しました。一方、拡散接合技術の大きな課題は、金属間化合物層の脆さを補うこと、熱処理の量産性を向上することでしたが、AKROSE技術がこれらを解決しました。互いの長所を引き出すことがハイブリッ |
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