• 各種ダウンロード
  • メルマガ配信登録
  • お問い合わせ

HOME > ブログ > 【ニュースレター・2022年2月号(第86号)】《対談企画》地域に根差す、日東精工のあり方を語ります!

【ニュースレター・2022年2月号(第86号)】《対談企画》地域に根差す、日東精工のあり方を語ります!

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ニュースレター」は毎月15日発行の社外報です。(メルマガ読者には翌日の16日に配信)

日東精工の取り組みや旬のTOPICS、コラムなどお役立ち情報をお届けしています。

今月号はこちら

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

日東精工は健全な企業活動を通じて

これからも地域に社会に

貢献していきます

~経済産業省近畿経済産業局伊吹英明局長を

 お招きしてのスペシャル対談~

 

昨秋、当社代表取締役社長材木正己が受勲いたしましたが、

勲章授与式が12月3日に当社本社で執り行われ、

経済産業省近畿経済産業局の伊吹英明局長に足をお運びいただきました。

授与式のあとは当社の歴史や事業を改めてご説明する時間を設けさせていただき、

なごやかな会談となりましたので、今号のニュースレターではその模様を

ダイジェストでお伝えします。

 

特別対談

 

伊吹局長と材木社長

 

 

伊吹英明経済産業省近畿経済産業局長(以下:伊吹)

この度の叙勲おめでとうございます。

 

材木正己当社代表取締役社長(以下:材木)

ありがとうございます。私個人の名前でいただいていますが、もちろん日東精工という会社を代表してのものだと思っています。社の諸先輩をはじめ従業員はもちろん、地域の多くの方々のご理解やサポート、つながりがあってのことです。会社を通して幾ばくかの地域貢献をさせていただいてきたことをご評価いただいたものです。この「旭日双光章」を励みに、さらに精進していかねばと身を引き締めております。

 

伊吹:今、社長が会社をとおっしゃいましたが、実際、日東精工さんという会社は以前、経済産業省の「コネクターハブ企業※1」のモデルに選定されるなど、地域に根差した地域密着、地域貢献型の企業だと理解しています。そもそもどういう経緯で生まれたのでしょうか。最初からねじづくりをされていたのでしょうか?

 

材木:簡単に当社の歴史をご説明すると……、ご承知のようにここ綾部でグンゼさんが明治29年に創業され、「表からみれば工場、裏から見れば女学校」といわれるほど社員教育、地域貢献をされてきました。それにより女子の雇用や教育は充実したので、今度は男性の働き口を創出しようということで、昭和13年、地元の金融機関や商工会議所などの有志が集まってつくったのが、当社日東精工です。ですから極端にいえば、事業内容をどうするか以上に、地域のためにということがいの一番の命題だったわけです。

創業当初は部品の修理や下請けなどもしていたのですが、会社を成長させるには会社の価値を高めないといけない、そのためには自社でモノづくりをしないといけないということで、自社ブランドのカメラをつくっていた時期もありました。そして昭和31年、ねじの金型のテストを請け負うことになり、そのテストのためにたくさんの試作品のねじができた。このねじを無駄にするのはもったいないと、ねじも販売することになった……じつはこれがねじづくりのきっかけです。日本ではじめてということではないですが、いまでは生産総量では日本だけでなく世界でもトップクラスです。

 

伊吹英明局長

 

 

※1 コネクターハブ企業・・・国内に拠点をおき、その企業が所在する地域内から多くの仕入れを行い、取引関係のハブとなり、そして地域外へ販売(他地域との取引をつなげる)コネクターの機能を担っているのが「コネクターハブ企業」。「協力企業群育成型」(産業が集約していない場所に立地し、調達先を長期的に育成。取り組み内容は人財育成にまで及び、地域貢献への意識が高い)コネクターハブ企業として、当社日東精工の事例が経済産業省の2014年の白書に丁寧に紹介された

詳細は2016年5月号

 

 

伊吹:ねじといってもいろいろな種類があるわけでしょう。国内外に競合会社もたくさんあるなかで、御社の優位性を保たれている秘訣はなんなのでしょう。ただ安ければいいという価格競争とはまったく違う土俵に立たれているわけですね。

 

材木:ええ。わが社の強みの一つはすべてを一貫生産していることです。どんな材料をどういった工程で、どのラインでつくったかなどトレーサビリティがしっかりしているので、万が一のトラブルだとか、以前の製品をバージョンアップさせたいといった声にもすぐに対応できる、お客様からの信頼度が高いわけです。また、ねじ(工業用ファスナー)だけでなく、それを締めるねじ締め機やねじ締めロボット、あるいはしっかり締まったかなどを検査・計測する機器まで、つまり締結分野すべてに対応しているのは、世界でも他に例がないほどです。このようにトータルソリューションができるのも強みです。

 

伊吹:ニッポンが世界に誇れるモノづくりの技術ですね。


材木:一般にはあまり知られていませんが、めねじ加工の不要なタップタイト®というねじがあり、これがいろいろな産業分野で使われています。このねじの胴部はおにぎりのような三角形状になっていて、締めやすいけれどゆるみにくいのが特徴です。もともとアメリカで生まれたねじで、コンチファスナーズAG社のライセンスを受けて製造していたわけですが、当社で技術改良をしたことで、省力化やコスト削減を実現しました。この「コンチ生まれで日東育ち」のねじが、世界に広がっているわけです。ねじについて語りだすと止まらなくなりますが、量でいえば年間188億本、種類でいえば9万種※を製造しています。

 

タップタイト

※188億本は2017年実績、9万種は2021年までの累計値

 

 

ローカルをしっかり守りながら

グローバルな展開

 

伊吹:業績はどうですか? やはりコロナ禍での影響は大きかったですか?


材木:じつはおかげさまで、良い結果になりそうです。


伊吹:このご時世、それはすごいですね。


材木:たしかにコロナの影響は大きかったのですが、経費その他、見直せるものは徹底的に見直し、経営の低重心化を図り、何とかコロナ1年目の危機を乗り越えました。そして今期、状況が改善されて売り上げが回復してきても、この低重心化を変えていないので、収益体質が強化されています。


伊吹:苦しい状況のときにしっかり手を打たれたことが大きいわけですね。苦しい状況というのは、これまでにも何度かあったわけでしょう?


材木:オイルショックやバブル崩壊、あるいはリーマンショックのときは影響を受けましたし、戦後の一時期は給料の遅配ということも経験しました。それを諸先輩が知恵を絞って乗り越えてきたので、今があります。また苦しいときに地元の人にずいぶん助けられてきました。そんな歴史も踏まえ、われわれは自分たちだけが儲かればいいとは考えないで、皆がWIN-WINの関係でないといけないと考えています。当社に関わるすべての会社、すべての人が幸せになってほしいと考えています。


伊吹:もともと私は経産省で、自動車関連を担当してきました。世界的な自動車メーカさんも、どんな状況になったとしても、ここはしっかり守るという地元の企業を数十社抱えておられます。ローカルをしっかり守りサポートしながらグローバルな展開をしていく、日東精工さんはそれと同じことを綾部でしっかりされているわけですね。

 

材木社長

 

 

優秀な人財確保のためにも

会社が魅力的であること

 

伊吹:従業員の方はやはり地元の方が多いのでしょう?人財確保にはあまり苦労されることはないのでしょう?


材木:綾部をメインにお隣の福知山や舞鶴など京都北部、地元出身者が多いです。綾部にはグンゼさんのほかにも工業団地には有名企業の工場もいくつかあります。でも他社との比較ではなく当社の社会貢献※2を通して、日東精工という企業の理解を深めてもらい、いかに魅力を感じてもらうかが大事だと思っています。うちにはたとえば親子2代3代でといった社員も少なくはないのですが、少なくとも自分の子供を自分が働いているこの会社に入れたいと思えるような会社であり続けたいと、そう思っています。

 

伊吹:そうすると、たとえば地元の小学生を対象にした工場見学なども積極的に受け入れられているわけですね。


材木:コロナ禍で中断していましたが、また復活していきたいと思っています。わたしどもにはユニークな資格制度があって、たとえばモデルフォレスト(森林保護)活動に参加するとか、由良川の河川清掃に参加すれば何単位というように、会社の業務以外の地域貢献活動や自己研鑽のための努力を評価点にして、一定の点数(単位)に達しないかぎりは昇格試験を受けられないようにしています。ただ会社の仕事だけをこなせばいいというのではなく、人としてしっかり成長しなければという人財教育をしています。


伊吹:いい人財を求めるのも大事だけれど、人を育てるというのはそれ以上に必要なことですね。


材木:なかなか難しいことでもありますが、それもまた自分たちだけでなく、地域全体でと考えています。昭和41年設立ですからもう50年以上になりますが、綾部工業研修所※3という民間教育機関を設立し、当社社員だけでなく、地域の若い人が会社就業後に学び技術を習得する場を設けています。京都工芸繊維大学さんなどにもご協力いただいていますが、当社の社員も講師になっています。

そのほか、つい先日も、当社の人事課長が京都工業会の「エンゲージメント」関連のセミナーで講師を務めさせていただいたようですが、伝えたり教えたりすることは自分たちの学びにもなっているようです。

 

伊吹:最近はCSR(地域貢献)とかSDGs(持続可能な開発目標)などといわれますが、日東精工さんはそういった言葉が話題になる以前から、そういった活動を先駆けておやりになっているわけですね。今うかがった綾部工業研修所も短期的な視点でなく、長期的な視点に立たれて、しかもずっと継続されているのは素晴らしいですね。


材木:そのほかにもやはり技術系の優秀な学生にも来てほしいですから奨学金制度も設けていますし、今年から新たな試みとして、職業訓練大学への国内留学制度(一旦、日東精工に入社してもらい社員として給料を払いながら、2年間職業訓練大学で学んでもらう制度)などもはじめています。ねじの会社ですから、次代につなげることを大切に〈絆経営〉を理念に掲げています。

 

伊吹:企業にとって大事なことは利益を上げて事業を継続していくことと、その利益を株主だけでなく社会に還元していくことだと考えますが、その両輪をしっかりまわしておられますね。御社もかつてはそうだったと思いますが、秘するが花といいますか、自社の活動をあまり表に出さない、それが会社の品格であると思われる傾向がありますが、そうではなく、いいことは皆で共有していく時代です。いいことはどんどん真似をしてもらってほしいわけです。日東精工さんには地域密着・地域貢献のモデル企業として、さらに新しいことなども試みながら、どんどん発信していっていただければと思います。


材木:きょうは本当にありがとうございました。

 

伊吹局長と材木社長② 

   

 

※2 社会貢献・・・当社は企業間取引をメインにする会社だがエンドユーザーとの方との接点も大切なものと考えており、ねじ工業会や能率協会、あるいは地元の商工会議所が主催する子供向けイベントなどでねじづくりのワークショップを実施したり、海外からの実習生やQC大会の報告に来日した現地法人社員と本社のある綾部の中学校で国際交流会を開いたりしている。下記でも紹介しているが毎年綾部市図書館に児童書を寄贈するなど、次代、若い世代につなげること、育成に力をいれている


※3 綾部工業研修所・・・綾部工業研修所は昭和41年、当社日東精工の呼びかけで設立された。高等学校や専門学校などの公的教育機関でなく、また一企業の研修機関でもない「地域内における中堅技術者養成」のために生まれた全国でも稀な民間教育機関。仕事を通して先輩や上司から学べることも多いけれど、就業時間外に週に2回の夜間学校で系統立てて学ぶことで、地域の技術者のレベルアップを図っている。当社から毎年講師を派遣し、これまで約55年間で1500名以上の卒業生を送り出してきた。最近は産学連携で京都工芸繊維大学などの協力も得られ、よりいっそうの広がりをみせている

 

 

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「旭日双光章」勲章授与式が執り行われました

_____________________________

  

 巻頭特集でも紹介しているように令和3(2021)年秋の叙勲で、当社代表取締役社長材木正己

「旭日双光章」を受章しました。材木は経営者として、一部上場企業である当社を安定成長さ

れを通じて地域貢献・社会貢献をしてまいりました。また、国や京都府、綾部市などいくつもの

業界団体の役職を歴任。たとえば京都工芸繊維大学の経営協議会委員や京都経営者協会副会長、

部市の防犯協会会長などを務め、地域の発展、人財づくりに積極的に関わってきたことなどが高く

評価されたものです。                                  

 12月3日に勲章授与式が執り行われました。経済産業省の近畿経済産業局伊吹英明局長に京都府

市にある当社本社まで足をお運びいただき、位記と勲章を授与いただきました。社内での授与

式でしたので、材木本人だけではなく当社役員や秘書担当等も参列し喜びを共有することができま

した。                                         

 

「旭日双光章」勲章授与式 

 

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「旭日双光章」

日本の勲章の一つ。対象者は公職では政令指定都市以外の市長、特別区の区長など、公益団体では

道府県区域を活動範囲としている団体の長、全国または都道府県の区域を活動範囲としている

体の役員、企業経営者では国際的に高い評価を得た企業や技術がとくに優秀な企業の最高責任者で

ある                                          

 

旭日双光章 

 

 


  

 

 

SDGs(児童書寄贈) 

 

 

日東精工グループ紹介(九州日東精工)

 

 

 

 2.【TOPICS】

 ・異種金属結合「AKROSE」について講習会を開催 詳しくはこちら 

 ・「あやべ球場」の愛称が「あやべ・日東精工スタジアム」に 詳しくはこちら

  

 

 3.【あやべ ちょっと寄り道㊻】

  ねじのおもちゃ、見つけた!

 

 

 4.【正己語録㊿】

  喜びと感謝を忘れずに

 

 

 

 ・PDF版はこちら

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加