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HOME > ブログ > 【ニュースレター・2021年10月号(第82号)】<対談企画>"協働ロボット×ねじ締め"のこれからを語る!

【ニュースレター・2021年10月号(第82号)】<対談企画>"協働ロボット×ねじ締め"のこれからを語る!

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「ニュースレター」は毎月15日発行の社外報です。(メルマガ読者には翌日の16日に配信)

日東精工の取り組みや旬のTOPICS、コラムなどお役立ち情報をお届けしています。

今月号はこちら

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協働ロボット用ねじ締めユニット

「PD400URシリーズ」で販路拡大。

生産現場における人員不足、生産性の向上、

働き方改革をサポートしていきます 

 

ハイスピ―ドで作業をこなす産業用ロボットだけでなく、

人が身近で安心して使える協働ロボットの需要が増えています。

日東精工では協働ロボットの世界的メーカ、ユニバーサルロボット社(以下UR社)の

「UR+」認証を受けたねじ締めシリーズを開発、新発売しました。

今号ではUR社 山根剛日本支社代表と当社役員との鼎談から

協働ロボットの役割や可能性などをご紹介していきます。   

 

 

荒賀誠当社代表取締役常務(以下 荒賀):

 「UR+」認証を受けた「PD400URシリーズ」を販売させていただくことに改めて感謝いたします。御社は協働ロボットのリーディングカンパニーとしてグローバルに展開をされておられますが、世界規模での状況はどういった具合なのでしょう。協働ロボットの需要や期待はやはり大きいのでしょうか。

 

山根剛UR社日本支社代表(以下 山根):

 本社はデンマークにあります。お隣りの国がドイツということもあり、ドイツ語圏の国、ドイツやオーストリア、スイス、それからアメリカ(北米)と中国での売り上げが大きいですね。次がフランス、そして日本、イタリアという順になります。もともと企業向けのロボットはこれまで産業ロボットが主だったのですが、近年、協働ロボットへの関心・需要も高まっています。

 当社が日本に支社を置いたのは5年前で、社員一人二人からはじめました。欧米に比べて少し遅いスタートとなりましたが、注目いただく機会も増えてきました。他のロボットメーカも協働ロボットを開発するなど、業界自体が新陳代謝を繰り返しながら広がっていますし、日本国内での需要は今後さらに伸びるでしょう。

 

桐村和也当社執行役員(以下 桐村):

 私はロボットを開発したくて当社に入ったのですが、柵で囲まれないロボットというのは、まず考えられないものでした。ロボットにはスピーディかつ正確に大量の作業をこなすことが求められ、ハードワークをこなしてくれるロボットは人にとっては近づくと危ないもの。だから不注意でケガをしないように柵で囲まないといけないものでしたし、ロボットを使いこなすのにも一定の訓練を必要とするものでした。けれど、協働ロボットは人との距離が縮まって柵がなくても安全安心に使え、その名の通り人と協働するものです。御社のロボットは操作が簡単で、実際、今年入社した新人が配属されてわずか二日ほどで、自分でティーチングして使いこなしています。

 これから先、産業ロボットが協働ロボットに置きかえられていくというのではなく、産業ロボットと協働ロボットの二極化、両方がそれぞれに進んでいく、進化していくということなのでしょう。

 

山根:そうですね。従来の産業ロボットになじんでいる方にとっては、常識外に思えるものですし、実際、私も最初はこんなに遅いもので大丈夫かと心配しました。しかし展示会などでの反応を見ていると、柵を必要としないところに新しさを感じていただくお客様は多いです。

 もちろん産業の発展のためには最先端のハイスペックなロボットの開発は大切です。その一方で、柵で囲むスペースがないなど産業ロボットが入れないところに、あるいは慢性的人手不足であるとか、働き方改革が進むなか就業と休みのバランスをどうするかとか、コロナ禍のもと密にならないようディスタンスを確保するとか……これらの問題解決に貢献するのが協働ロボットです。コンパクトで、人間と協働作業できるという次世代コンセプトのロボットです。

 ロボット本体そのものの価格やランニングコストが高いと大手企業でなければ導入は難しいですが、協働ロボットは中小企業でも、事業所単位でも手が届くコストですし、国や自治体のさまざまな補助金を利用して設備投資ができます。お客様には製品スペックや導入メリットを説明するだけでなく、こういった情報もご案内しながら営業しています。

 

荒賀:当社、日東精工には工業用ねじを製造販売するファスナー事業部、ねじ締め機やねじ締めロボットの製造販売、あるいは組立ラインを設計する産機事業部、そしてねじの検査・計測関連機器、流量計などの制御システム事業部があり、締結に関することすべてにトータルで向き合っているのが強みです。今回、「UR+」認証で御社とご一緒できることによって、産業用途だけでなく、よりいっそう幅広いご要望にお応えできるようになりますので、当社の販路拡充につながっていくのではととても期待しています。

 

山根:御社の営業の方と私どもの販売代理店がご一緒して、自動車メーカへご提案をしていると聞いています。御社は自動車分野に注力されておられますが、同じ自動車分野でもさらに裾野を広げていくことができるのではと思っています。

 

「UR+認証書」を掲げる山根剛ユニバーサルロボット社日本支社代表 (左)と当社代表取締役常務 荒賀誠

 

 

情報開示することで

市場の活性化を図る

 

荒賀:「UR+」という認証制度はユニークですね。本体となるUR社のロボットがあり、そこに、ねじ締めのツールだったり、溶接だったり、組立だったり、いろいろな分野の周辺機器を加えていくことができる仕組みといってよいのでしょうか。当社社長が「脱自前主義」と口にすることがあります。もちろん、すべてを一貫製造することでのメリットもあり、当社でいえばファスナー(工業用ねじ)は、メッキなどの後加工や検査・計測、包装・配送まで自社で目配りすることが品質保証にもつながっているわけです。

 でもそれだけに固執するものではありません。産学連携もそうですが、いろいろなところとコラボすることで、よりいいものがつくれたり、コストダウンにつながるなど、いろいろなスケールメリットが出てきます。

 

桐村:今回発売した「PD400URシリーズ」はユニバーサルロボット専用ティーチペンダントから締付けトルクやドライバ回転速度などを直感的かつ容易に設定できるものです。そして、発売以来好評をいただいている当社の高性能NXドライバSD600Tシリーズを標準搭載し、ポイントごとに締付け設定を切り替えることが可能で、協働ロボットとしては高性能・高品質なねじ締めを実現しています。

 

山根:「UR+」についてはスマートフォンとアプリの関係をなぞって説明することが多いです。URロボットがスマホ本体であり、周辺機器がさまざまなアプリケーションで、お客様のニーズに合わせたカスタマイズができるというわけです。ロボットアームの仕様やインターフェースをオープンにして、それに準拠するエンドエフェクタ、カメラ、センサなどの周辺機器を各メーカが開発していくというものです。

 昨年まで社長を務めたユルゲン・フォン・ホーレンは、私の入社した5年前の頃から、常々、多くの企業が参画しやすいように技術情報をオープンにする大切さを口にしていました。従来型の取引はお客様とメーカがクローズドされたというか、ある意味ブラックボックスのなかで行われるのがふつうでしたから、正直、最初はこの戦略で大丈夫なのか、技術を独占したほうが自社メリットが大きいのではないかと思うこともありましたが、いろいろなところにご参入いただくことで、市場が活況化しています。

 

荒賀:以前、顧問弁護士の方とお話しているなかで、知的財産をどう守るかという話になったとき、特許を公開、無償提供して「国際標準化」を目指すというオープン戦略と、それを実際に最大限活用するための技術ノウハウなどを営業秘密としてクローズドにして守るという区分を、自社の特質を踏まえて、しっかりと使い分ける必要があるとお聞きしました。オープンクローズ戦略ですが、御社もそういった形で自分たちの技術を「標準化」しつつ、協働ロボットの市場を育てていらっしゃるわけですね。

 

URロボットに当社のねじ締め技術を搭載できる 「PD400URシリーズ」①

 

URロボットに当社のねじ締め技術を搭載できる 「PD400URシリーズ」②

 

 

日東精工ブランド、

サポート力が与える安心

 

山根:「UR+」に認証されているのは現在320以上(2021年3月現在)で、今後も増えていく予定です。ねじ締め分野では日本で御社がはじめてです。サポート体制がしっかりしているというのはお客様にとって重要です。国内のお客様にとって日本のメーカというのは安心材料ですし、ねじ関連のトップメーカである日東精工さんのブランド力への期待も大きいです。

 

桐村:御社のホームページを見ていると「UR+」の認証がどんどん増えていますね。英語のサイトを見ていると、SCREWというねじ締め関連の言葉がたくさん出てきます。これは裏を返せば、競合となるけれど協働ロボット分野での世界的需要がたくさんあるということなのでしょう。

 

荒賀:需要、市場が大きいということはチャンスでもありますね。当社の海外拠点はアジア、北米が中心ですが、UR社さんの大きな拠点であるヨーロッパでの展開にもつなげていければありがたいですね。今日はありがとうございました。

 

山根剛日本支社代表には京都府 綾部市の日東精工本社までお越しいただき、当社代表取締役常務荒賀(写真左奥)と執行 役員桐村(写真左手前)とお打合せをいただいた

 

 

「PD400URシリーズ」をオンラインで紹介 

 

PD400URシリーズ製品特徴

 

 

 

 

 2.【TOPICS】

 ・中国とアメリカの展示会で日東精工グループの潜在力をアピールしました

 ・2021年第2四半期決算説明会で「増収増益」をご報告 詳しくはこちら

 ・小物部品専用検査選別装置「ミストル(MISTOL®)ロボタイプ」を新発売 詳しくはこちら

 

 

 3.【あやべ ちょっと寄り道㊷】

  古民家をさらに古い時代へ

 

 

 4.【正己語録㊻】

  しっかりとタッチをつないだからこそ


 

 ・PDF版はこちら

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